《連載コラム》「骨」①

数奇な旅を続けたその骨は、生まれ在所の種子島にある父母の墓の元に帰って来た。家督を継いだ実弟の喜びようは、尋常ではなかったという。 私は生きている頃、斉藤と呼ばれたこの男とは面識はなかった。最初の出会いはすでに骨となって