大澤山 常陽院 明圓寺(茨城県石岡市)

住職 土井千浩(どいちひろ) 法名 釋千浩(しゃくせんこう)
大澤山 常陽院 明圓寺(茨城県石岡市)
大澤山 常陽院 明圓寺(茨城県石岡市)2024/07/02 @ 18:05
今月の言葉(7月)

「HOMO NEC
ULLUS CUIQUAM
PRAEPOSITUS NEC SUBDIT TUS
CREATUR」
(天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず)
          福沢諭吉『学問のすゝめ』

これは、慶應義塾大学三田キャンパスの東門にある創設者である福沢諭吉の『学問のすゝめ』からのフレーズで、日本語の原文では「天」が主語になっていますが、ラテン語文では、「人は誰に対しても上に立つ者として、また下に立つ者として創造されていない」という様に、「人」が主語となった受動態の文になっています。

「人のいのちの重さは地球より重い」という様な表現が最高裁の判決文の中にあると聞いておりますが、人間のいのちの尊さ、「いのち尊し」とは、自分の今日のいのちだけが尊いのではありません。

私達のいのちは過去から未来まで、末通りたるいのち、即ち
無量寿の尊さによるものです。
しかも、そのいのちは、地球上の全てのいのちも同じです。

仏法は、「死にたくない」ための「いのち尊し」では無く、生かされきるための「いのち尊し」なのです。
その事を、改めて考えさせられる碑文でありました。

      合  掌
大澤山 常陽院 明圓寺(茨城県石岡市)
大澤山 常陽院 明圓寺(茨城県石岡市)2024/06/06 @ 12:31
今月の言葉(6月)

たわむれに
母を背負いて一歩二歩
軽きに泣きて
三歩も進まず

  石川 啄木

久しぶりに帰郷し、戯れに母親をおんぶした時の啄木の歌ですが、自分の母だからこそ、その感慨も出て来たものと思われます。

私事ですが、97歳と3ヶ月になる母親がおります。
施設に入ってはいるのですが、元気で「私が中々死ねないのは、お前がしっかりしないからだよ。」と、叱咤されてしまう次第です。

母親は、10人兄妹の総領娘で、もう既に兄妹達は全て亡くなってしまい、独り淋しがっておりますが
若い時に両親を亡くし、弟や妹の面倒を見なくてはならない環境にあって、精神的には強い女性です。
仕事も、逓信局(電電公社)時代からNTTになってからも勤め41年も勤続した母でした。
当時、電電公社は社会党を応援しており市川房枝さんや土井たか子さんの頃
婦人参政運動や男女雇用機会均等法などの確保運動に力を注いだ様でありました。

私が高校生の頃は、半年東京で講義を受け、半年茨城に帰り職員の教育をする事を繰り返し、私は主に父親と生活をしていた学生でした。

そんな母も、笠間から当寺に入寺して間もなく私の父親である夫を亡くし独りで戦っており、私は母の傘下の元 余り苦労すること無く過ごして参りました。

ここに至って、母親も、もう幾許も無い命と感じ、空虚な空気の中にぽつねんと一人取り残される思いが滲み出る私の存在を感じます。
今、胸の砂時計は雪崩の勢いで時を刻み続けているのです。

南無阿弥陀

    合 掌
大澤山 常陽院 明圓寺(茨城県石岡市)
大澤山 常陽院 明圓寺(茨城県石岡市)2024/05/20 @ 0:19
応援中: 石岡市観光協会 / いしおかファン ―ライジングファンに認定されました!🎉

イベント履歴

開かれたお寺を目指して

大澤山(おおさわさん) 常陽院(じょうよういん) 明圓寺(みょうえんじ) は、親鸞聖人(しんらんしょうにん)から明法(みょうぼう)という名を授かった弟子・弁円(べんねん)が、仁治元年(1240年)真家村(現在の茨城県石岡市真家)に隠居の為に建立した浄土真宗のお寺です。明法の「明」とかつての名、弁円の「圓」の字をとって明圓寺と号されました。
四季折々の草花、馬滝の美しい流れる音、素晴らしい里山風景の中に佇む、歴史深い山寺です。ぜひお気軽にいらしてください。

合掌

明圓寺 住職

納骨堂・樹木葬「游心庵」建立に寄せて

お墓とは『故人を偲ぶよすがとす』と言われております。
 私は、墓前で手を合わせる時は、亡き人を振り返り偲ぶだけではなく、それをご縁として、今、生かされている自分自身を映し出す場、そして、今、置かれている自分の立ち位置を確認する場として、自分を見つめ直す大切な時間を頂くことでありたいと考えます。
 時系列的には、過去、現在、未来へと繋がって時間が流れて行きますが、仏教的思想では、現在をどう生きるかによって過去も未来も変わってくる、と考えます。つまり、今の生き方次第で過去からの生き様もわかるし、未来も見えてくるのです。
 現代を生きる私達は、時には苦しみ、時には悲しみ、未来の自分に戸惑う事に遭遇します。
 そんな時、この場に立つことでご安置された阿弥陀さまと亡き人の暖かい慈悲の御手に抱かれて、ほっとしていただきたい、そして、心を游ばせて欲しい、そんな思いから「游心庵」と名付けました。是非一度足をお運びください。
 

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ご見学は随時可能ですが、事前にご予約いただけますと
住職・坊守によるご案内・ご相談が可能です。

毎週土曜日は「游心庵」見学日としています(要予約)。

 

住職のご紹介


お気軽にお参りにいらしてください。
 

住職 土肥 千浩

土肥千浩プロフィール  

法名: 釋 千浩(しゃく せんこう)

  • 1960年 茨城県笠間市に生まれる。
  • 1977年 曹洞宗で得度習礼※1を受け僧侶となる。
  • 1979年 教師習礼※2をし、約10年間曹洞宗の僧侶として過ごす。
  • 1985年 大学で経済学部を卒業する。
  • 1986年 浄土真宗本願寺派に転派する。
  • 1986~96年  一般企業や団体職員として働き、社会経験を積む。
  • 1990年 当山住職となる。
    仏教学や真宗学の修学研鑽※3を深めるため、東京仏教学院の研究科に学ぶ。
  • 2007年~   法要儀式を行う事にとどまらず、お念仏をご縁としての文化活動や法話会などを通じて心を寄せられる窓口となりたいとの思いで、千葉県柏市に分院を開く。分院においては、子ども達の料理会を開いたり、カフェで茶話会を開き、日頃の不安や仏教に対する疑問などを一緒に考えて行く活動をしている。
    本院においても、2,3,5,6,7,10月の第2火曜日13:30から、近隣の住職を講師にむかえ、法話会を開いて門信徒さんの声に耳を傾けている。
    『これからも、気楽に、安らかに心を寄せられる穏やかな場として、広く沢山の人に慕われるお寺にして行きたいと願っております。』

NPO法人 アーユース仏教国際協力ネットワーク会員


※1得度習礼(とくどしゅらい): 在俗者が仏門に入る儀式の前の予行。

※2教師習礼(きょうししゅらい): 実践的なお得度のような習礼

※3修学研鑽(しゅうがくけんさん):学問や知識を深く究めること。


明圓寺開山のいわれ


人形説き・弁円のなみだより


明圓寺の印


『明圓寺の印』ができました。

 

 

明圓寺にお参り頂いた方に、記念に押印さし上げたいと思います。どうぞお気軽にお声かけ下さい。